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犯罪心理は現場のプロだけが学べばいいものか?

このブログでは、はじめて犯罪心理学に触れる人にも、わかりやすく専門トピックを解説するメディアを目指しています。

でも、こんな指摘があるのも事実。





実際,犯罪心理学を専門的なレベルで学ぶのは,たいてい警察や刑務所,鑑別所などで働く人たちです。

では、それ以外のほとんどの人にとって,犯罪心理の知識は,教養,あるいはエンターテイメントでしかないんでしょうか? 

今回は,私が考える非専門家として犯罪心理学を学ぶ理由・意義について,提案してみたいと思います。

メディアリテラシーとしての犯罪心理学

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世の中にいる大部分の人が,犯罪とは無縁の生活をしています。

その一方で,テレビや新聞などのメディアからは,毎日のようにさまざまな事件のニュースが流れてきます。

とくに殺人などの大きく報道される事件では,報道が過熱し,伝える側の想像や主観的な解釈が混ざった情報のシャワーを浴びせられることもしばしばあります。

そして,本来は主観を排除して客観的な意見を提供すべき,メディアに登場する「犯罪心理学者」の中にも,残念ながら主観的で根拠のあいまいなコメントをする人が少なくありません。





そうしたなかで,もし,私たちが事件を冷静に分析しようとするなら,犯罪心理学を学ぶことは,犯罪へのメディアリテラシー(ニュースの内容を分析する能力)を身につけるいちばん手っ取り早い方法かもしれません。

情報の受け手である私たちの影響力は想像以上に大きくて,ときにはそれが社会的な運動やデモに発展して,最終的には国や自治体の政策にも影響するかもしれません。

そう考えれば,より多くの人が,他人の主観に影響されない冷静な分析をすることで,政策面にまでいい影響が出ることさえありうるとわたしは考えています。

犯罪理解の基本としての「原因」と「類型」

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では,どんな知識がメディアリテラシーに結びつくでしょうか?

「みんなの犯罪心理学」では,いまのところ犯罪の類型原因を中心に記事をまとめています。

犯罪の類型は,犯行の手口と犯人の動機・特徴の関係を,パターンごとにまとめたものです。殺人のまとめが終われば,今後は性犯罪や放火などにも展開していく予定です。

いろいろな類型を知っていれば,報道された事件がどのタイプにあてはまるのか,また,どんな犯人像の可能性が高いのかを知ることができます。

原因については,現在すすめている生物学的なものから,心理学的,社会学的な原因に展開していく予定です。

犯罪の原因について複数の視点をもっていれば,犯人がなぜその犯行に至ったのか,さらには,犯罪をしない自分と犯人との違いはなんなのか,といったことまでを考察する手がかりになるかもしれません。

これらの知識を学びながら,メディアに専門家として登場する「犯罪心理学者」のコメントを注意深く聞いてみましょう。

かれらのコメントの背景に,当ブログで取り上げるような科学的な成果が示されていれば,きっと,その「犯罪心理学者」は,あなたが事件を理解するときの助けになる,信頼できる意見を提供してくれるはずです。  

さいごに

今回は,ぼくが考える理由を1つご紹介しましたが,ほかにも「こんな理由で勉強してるよ!」という方がきっといると思います。

あなたが,専門家ではない(または,なるつもりのない)立場として犯罪心理学を学ぶ理由はなんですか?

みなさんのご意見を,お気軽にぜひメッセージなどで教えてください。


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