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「犯罪心理学」というえたいの知れないおもしろそうなもの

最近,ドラマの影響からか,また犯罪心理学の知名度が上がってますね。
  • SMAP草彅剛さん主演の「スペシャリスト」
  • 斎藤工さんと窪田正孝さん主演の「臨床犯罪学者 火村英生の推理」
なんかが最近はとくに話題でしょうか。

内容うんぬんはともかく,
これらをきっかけに犯罪心理学に興味をもつ人も少なくありません。

おおむね「どんなものかはよくわからないけどおもしろそう」
という印象が多いようではありますが。
 

しかし。つきまとう,うさん臭さ。

と,にわか人気で「犯罪心理学の将来は明るい!」と言ってもいられません。

以前から気がかりなことが1つあります。 

それは,犯罪心理学にまとわりつくうさん臭いというイメージです。


こういう意見。

犯罪心理学が注目されるようになってからとくに増えている気がします。 

さらによく見かけるのがこのパターン。


やっぱりあいつらか!と言いたくなりますが,そうです。

原因は,テレビによく出る"犯罪心理学者"たちです。

酒鬼薔薇事件のときに犯人像を推定した著名人たちが
さんざんな失態をさらしたことを,覚えている人もいると思います。

それにもかかわらず。

かれらの多くはあいかわらずなんの研究知見もデータも示さず,
さもそれらしく自説を展開します。

それにたいする視聴者の反応は当然こうなります。

「お前が勝手にそう思ってるだけだろ?」

この批判に対処する方法はひとつ。

統計分析で得られた知見を引用すること。

それ以外の方法を,ぼくは知りません。

しかし,最近でもテレビに出る犯罪心理学者の中で
きっちりこの方法でコメントしているのは,ほんの一握りです。

「みんなの犯罪心理学」では,原則として統計分析を使わない研究は紹介しません。

大事なことだから2度言います。

21世紀にもなって,データを示さないのは犯罪心理学ではない。

いまは,統計ソフトもろくに無かった時代とは違います。

Excelでも統計分析できるんです。

そんな時代に,「わたしの長年の経験では」とかお呼びじゃない。

「みんなの犯罪心理学」では,
学部レベルの知識をまとめて提供することをひとつの目的にしています。

その中で,
初期に学ぶべき古典的な研究には統計を使っていないものもあるので,
それらはあくまで歴史として紹介します。
(たとえば,犯罪の類型にはいくつかそういう知見が含まれます)

でも,一般化すべき知識として共有するのは,統計分析で得られた知見だけです。

現代の専門家として客観的な意見を述べるとき,統計を使った研究の引用は基本です。

むしろ,そのとき引用する研究について,
データの集め方や分析の中身が問題になるべきだと,
当たり前のことをぼくは思っています。


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