1024px-神戸家庭裁判所KOBE-KASAI
by 山井書店

仕事内容

家庭裁判所調査官(家裁調査官)は,家庭裁判所が扱う家庭問題非行について,さまざまな調査をおこなうことで裁判に必要な資料を作る仕事です。

家庭裁判所で扱われる事件は,大きく分けて,家事事件少年事件の2種類があります。

家事事件では,離婚や子どもの親権問題,そのほか夫婦や親族の間の争いを解決するために,争いの当事者たちを調査して,問題の原因やよりよい解決策に向けた情報収集を行います。

少年事件では,非行をした少年の動機育ってきた環境生活の状態などを調査して,裁判官が処分を決めるための資料を作ります。

どちらの事件でも,窃盗などの刑事事件に比べて,より事件の背景にある人間関係や環境を重視した裁判が行われるので,調査官による調査結果はとても重要な資料になります。

受験資格

試験は,裁判所職員採用総合職試験家庭裁判所調査官補区分を受験することになります。

これには大卒者試験院卒者試験の2パターンがあり,どちらも30歳以下という年齢制限があります。

また,学部や学科の指定はありませんが,もしこの職業を目指す場合は,専門試験の内容に含まれる心理学社会学教育学法学などを学ぶのが望ましいでしょう。
 

受験方法

採用は毎年行われているので,毎年更新される採用情報をチェックすればOKです。

試験では,一次試験で多肢選択式の基礎能力試験と記述式の専門試験を受けた後,二次試験で,記述式の専門試験政策論文試験,集団討論や個別面接を行う人物試験を受けます。

試験会場は,一次試験と二次の筆記試験は全国各地で会場が設けられますが,二次の人物試験は各地方の都市部のみで実施されるので,自分が行きやすい会場を確認しておく必要があります。

ちなみに平成27年度の倍率は,院卒者区分が約7.7%(196人中15人),大卒程度区分が約5.9%(691人中41人)です。
 

就職後

まずは家庭裁判所調査官として採用されて,裁判所職員総合研修所で約2年間の研修を受けます。

そのほか,専門の教官による研修を受ける機会があり,語学研修や欧米の裁判所等での在外研究ができる制度もあります。

最初の研修後は全国の小規模な勤務地へ配置され,採用6年目に中規模な勤務地へ異動,採用9年目ころから希望する勤務地やその周辺に配置,という流れが多いようです。

全国規模での異動がある職業で,いつも勤務地の希望が通るわけではないので,そうした特性をふまえた人生設計も必要でしょう。


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