犯罪心理学について学ぼう!と思ったときに,最初にどんな本を選びますか?
いざAmazonや書店で探してみると,犯罪心理学に関する書籍が意外とたくさんあることに気づくはずです。
なかには,きっと「どれから読んだらいいんだろう。。」と途方に暮れる人もいるはず!
ということで,今回はそんな方へ,おすすめの犯罪心理学の入門書3冊をご紹介したいと思います。
面白いほどよくわかる!犯罪心理学
まずは,3冊の中でも1番やさしい内容の本をご紹介します。
この本の特徴は,できるだけたくさんの犯罪心理学のトピックについて,分野を問わず解説しているところです。
扱っているテーマは,「なぜ犯罪者は男性が多いのか?」「高齢者の犯罪が増えている」といった犯罪情勢から,犯罪心理学ってなに?の記事でもあげた犯罪と向き合う現場(防犯,捜査,裁判,矯正,更生保護),犯罪の原因論(生物学的,社会学的,心理学的)と罪種ごとの特徴(殺人,性犯罪など),さらには被害者学や少年非行など,犯罪心理学に関するほとんどすべての分野について,とくに重要なテーマをピックアップして解説しています。
犯罪とは?といった本当に初歩的な解説から専門的な知識まで,すべてのトピックが2ページから4ページでイラストを使いながらまとめられているので,読みやすさを重視したい方や,犯罪心理学に関する話題をできるだけ幅広くおさえたい方におすすめの入門書です。
入門 犯罪心理学
この本の特徴は,少年鑑別所や法務省矯正局といった現場で,犯罪者の矯正・治療に関わってきた著者のカラーが強く反映されているところです。
その内容を一言で表せば,科学的な方法論に徹底的にこだわった臨床心理学と言えるかもしれません。
内容の構成も独特で,はじめに,日本で実際に起きた2つの大量殺傷事件を解説しながら,関連する心理学のトピックを解説します。
その後,犯罪の定義や,罪種ごとの発生状況と犯罪の特徴,犯罪心理学に関わる仕事などを簡単に解説してから,犯罪の生物学的・社会学的原因論の解説と,心理学的特性についての詳しい解説に進みます。
そして,最後に著者の専門である犯罪者のアセスメントと治療について,全ページ数の4分の1(約60ページ)を使って,詳しく丁寧な解説がされています。
「面白いほど〜」に比べるとやや専門的に感じるかもしれませんが,読み物としても興味深い1冊です。